敬老の日が近づくと、「今年は何を贈ろうかな」と考えますよね。
せっかくなら、喜んでもらえるものを選びたい。
でも、去年と今年では、暮らしも食べ方も少し変わっているかもしれません。
梅むすび「おばあちゃん、甘いものが好きだけど、最近は入れ歯の調子がよくないみたい」



「施設に入ったおじいちゃんに何か持って行きたいけど、食べ物でもいいのかな?」
- 一人暮らしをしている
- 施設に入った
- 以前より食べる量が少なくなった
- 入れ歯を使うようになった
そんな変化があれば、以前好きだったものをそのまま贈るより、「今」に合わせて選ぶほうが喜んでもらえることがあります。
私は特別養護老人ホームで15年以上、食事の場面に関わってきました。
ご家族が持って来られた差し入れを、入居者さんがうれしそうに召し上がる場面もたくさん見てきました。
この記事では、「何を買うか」だけではなく、今どんな暮らしをしているかから、敬老の日の贈り物を考えていきます。
- 食べ物を贈る前に確認しておきたいこと
- やわらかいお菓子の選び方(羊羹・ゼリー)
- やわらかさを見分ける「UDF」マーク
- 甘いものが苦手な方への選択肢
- 自宅・一人暮らしで気をつけたい量や保存方法
- 施設へ差し入れするときのポイント
- 離れて暮らす家族へ送るときの選び方
むせることが増えた、食事量が大きく減った、発熱を繰り返している。
そんなときは、食べ物を贈る前にかかりつけ医や施設の職員へ相談してください。
敬老の日に何を贈る?まずは今の暮らしから考える


敬老の日の贈り物というと、和菓子、果物、お茶などが思い浮かびます。
でも、同じ80代でも暮らしは一人ひとり違います。
夫婦で暮らしている方もいれば、一人暮らしの方もいます。施設で生活している方もいます。
だから、「高齢者には何がいい?」ではなく、「今、この人には何がいい?」と考えてみると選びやすくなります。
たとえば、一人暮らしの方へ大きな果物の詰め合わせを贈っても、皮をむいたり切ったりするのが大変かもしれません。
施設では、冷蔵庫に自由に食べ物を保管できないこともあります。
遠方に住んでいるなら、冷凍品をたくさん送っても冷凍庫に入りきらないかもしれません。
まずは「何を贈ろう」より、今どんな暮らしをしているかを思い浮かべてみてください。
食べ物を贈る前に、最近の様子を少し確認する


食べ物を贈ろうと思ったら、最近の食事の様子も少し確認しておきましょう。
難しく考えなくても大丈夫です。普段の会話の中で分かることもあります。
今、どんなごはんを食べている?


家族と同じ普通のごはんを食べているのか。おかゆや、やわらかく煮たものが増えているのか。
施設なら、普通食・刻み食・やわらかい食事など、その方に合わせた食事になっていることがあります。
分からなければ、「最近、ごはんは普通に食べられてる?」と聞いてみるだけでも違います。
歯や入れ歯の具合はどう?


「入れ歯が当たって痛い」「かたいものは食べなくなった」
そんな話が出ているなら、以前と同じお菓子が食べにくくなっている可能性があります。
好きだったものだからと毎年同じものを選ぶのではなく、今食べやすいものを探してみましょう。
むせることが増えていない?


お茶や汁物でむせる。食事中によく咳をする。食べ終わるまで時間がかかるようになった。
こうした変化がある場合は、「やわらかいものなら大丈夫」と自己判断せず、本人や家族、施設の職員などに確認してから贈るほうが安心です。
甘いものが好きなら、食べやすいお菓子から選ぶ


「おばあちゃんは昔から甘いものが大好き」
それなら、敬老の日にも好きなお菓子を楽しんでもらいたいですよね。
ただ、年齢を重ねると、見た目はやわらかそうでも食べにくくなるお菓子があります。
どら焼き、カステラ、ゼリー、羊羹なども、商品によって食べやすさは違います。
羊羹なら、やわらかいものも売っています


「かたいものは食べなくなった」という方でも、和菓子をあきらめなくて大丈夫です。
たとえば、とらやのやわらか羊羹「ゆるるか」です。
原材料は小豆・寒天・砂糖だけで、普通の羊羹と同じです。
やわらかくするために、特別なものを足しているわけではありません。
UDFの区分は「舌でつぶせる」。公式サイトでは、かたさの目安を全がゆと同じくらいと案内しています。
1個55g・378円(税込)で、賞味期限は180日です。(2026年8月時点)
一度に食べきれる量で日持ちもするので、贈り物として選びやすい形です。
くわしい感想は、こちらでまとめています。
→ 【実食】とらや「ゆるるか」を食べてみた|水羊羹との違いとやわらかさをレビュー
そして、9月上旬から3月下旬は全国の店舗で扱われます。
4月から8月は限られた店舗だけなので、敬老の日はちょうど買える時期にあたります。
とらやの公式サイトにも、飲み込むことに不安がある場合は医師や専門家へ相談するように書かれています。
むせが続いている方には、贈る前に施設の職員や医療機関へ確認してください。
ゼリーやプリンは中身まで見る


プリンやゼリーはスプーンで食べやすい品ですが、「ゼリーならすべて安心」とは限りません。



「ゼリーなら食べやすいと思っていました」



「中に具が入っている商品があるんです。ゼリー部分は食べられても、具を噛み切れないことがあります」
ナタデココやみかんの果肉など、具が入っている商品があります。
ゼリー部分は食べられても、中の具を噛み切れないことがあります。
施設でも実際にある話なので、具の入っていない商品かどうかを見てから選んでください。
ここで全部説明すると長くなるので、市販で買えるやわらかいお菓子は別の記事にまとめました。


▶︎ 高齢者が食べやすい市販のお菓子一覧|やわらかさをUDF区分で比べて選ぶ
プリン・ゼリー・羊羹・ケーキなどを、UDFのやわらかさ別に紹介しています。
「どのお菓子なら食べられそう?」と迷ったときはこちらを参考にしてください。
やわらかさは「UDF」のマークで見分けられる


市販の介護食には、ユニバーサルデザインフード(UDF)のマークが付いた商品があります。



「ユニバーサルデザインフード…? 名前が長くて覚えられません」



「箱に付いているマークだけ見てください。やわらかさが4段階で書いてあります」
日本介護食品協議会が決めた規格で、食べやすさを4つに分けています。
- 容易にかめる
- 歯ぐきでつぶせる
- 舌でつぶせる
- かまなくてよい
下にいくほど、やわらかい形になります。
普段どんなごはんを食べているかと見比べると、選ぶ目安になります。
▶︎ 舌でつぶせる・歯ぐきでつぶせるの違いは?写真でわかるUDF区分
甘いものが苦手なら、ご飯のお供も選択肢
敬老の日だからといって、お菓子を贈る必要はありません。
甘いものをあまり食べない方なら、ご飯のお供も選択肢になります。
佃煮や海苔、ふりかけなど、普段の食事で使えるものなら、「もらったけれど食べる機会がなかった」となりにくいのも良いところです。
ただし、かたい具材が入っていないか、塩分などの食事制限がないかは確認してください。
本人が普段から食べているものに近い商品を選ぶと使いやすいでしょう。
自宅で暮らす高齢者なら「食べ切れる量」と「手間」で選ぶ


自宅で暮らしている方への贈り物で見落としやすいのが、食べるまでにかかる手間です。
高級なものや大きな詰め合わせが、必ずしも喜ばれるとは限りません。
大きな箱より、小分けになったもの


以前より食べる量が少なくなっているなら、大容量のものは食べ切れないことがあります。
一つずつ個包装されているものなら、好きなときに少しずつ食べられます。
一度開けたら急いで食べなければならないものより、何回かに分けられるもののほうが使いやすいでしょう。
果物は「食べるまで」も考える


果物が好きな方への贈り物もいいですね。
ただ、大きな果物の詰め合わせには、こんな作業が必要です。
- 箱を運ぶ
- 冷蔵庫へ入れる
- 皮をむく
- 種を取る
- 食べやすく切る
握力が弱くなっていたり、一人暮らしだったりすると、立派な果物がそのまま残ってしまうこともあります。
果物を贈るなら、本人が普段どうやって食べているかも考えてみてください。
常温で置いておけるものは扱いやすい
冷蔵庫や冷凍庫に入れなくてもよいものは、受け取ったあとに慌てて片づける必要がありません。
特に一人暮らしなら、「届いたあと、本人が無理なく片づけられるか」まで考えて選ぶと安心です。
施設にいる家族への敬老の日|差し入れは先に確認する


施設に入ったばかりだと、「敬老の日くらい、好きなものを持って行ってあげたい」と思いますよね。
特別養護老人ホームも、その方が毎日を過ごす暮らしの場です。
ご家族からの差し入れを楽しみにしている方もいます。
ただし、食べ物の持ち込みについては施設ごとに決まりがあります。



「買ってから持ち込めないと言われたら、どうしよう」



「買う前に電話で聞いておくと安心ですよ。決まりは施設ごとに違います」
持って行く前に施設へ聞いてみる


施設によって、次のようなものにルールが設けられていることがあります。
- 生もの
- 手作りの料理やお菓子
- 要冷蔵のもの
- 賞味期限が短いもの
購入してから「持ち込めません」となるより、先に電話などで確認しておくほうが安心です。
一度に食べる量は控えめに
大きな箱いっぱいのお菓子より、1回分が分かりやすい小分けの商品は扱いやすいです。
施設では、ご家族が帰られたあとに職員がお預かりして、本人の食事や体調を見ながらお出しする場合もあります。
そのため、名前を書きやすいものや個包装のものも選択肢になります。
何を選べばいいか分からなければ職員に聞く


施設に入ると、家族には普段の食事の様子が見えにくくなります。
毎日の食事を見ている職員だから分かることもあります。
離れて暮らす親・祖父母へ送るなら「届いたあと」まで考える


遠方に住んでいると、敬老の日に直接会いに行けない年もあります。
そんなときは宅配で贈れるものが便利です。
ただし、送るときにも少し確認しておきたいことがあります。
本人が受け取れる日時か


冷蔵・冷凍品は、受け取ったあとすぐに冷蔵庫や冷凍庫へ入れる必要があります。
外出が多い方なら、受け取りやすい日時を聞いておきましょう。
冷凍品なら冷凍庫に入る量か


冷凍のスイーツや食事を贈る場合は、冷凍庫の大きさにも注意します。
一人暮らし用の冷蔵庫では、冷凍スペースがそれほど大きくないことがあります。
たくさん送るより、本人が無理なく保存できる量を選ぶほうが使いやすいでしょう。
食事そのものを贈る方法もある


お菓子だけでなく、「最近、ごはんを作るのが大変になってきた」という方なら、冷凍のやわらかい宅配食を贈る方法もあります。
食事を作らなくてもよい日が何日かできるので、離れて暮らす家族からの贈り物にもなります。
ほかのサービスとも比較したい方は、こちらの記事にまとめています。
食べ物にこだわらなくてもいい


敬老の日というと、「何かおいしいものを贈ってあげたい」と思います。
でも、食べる量がかなり減っていたり、食事制限があったりすると、食べ物選びが難しいこともあります。
そんなときは、無理に食べ物を選ばなくても大丈夫です。
タオルや靴下、写真、メッセージカードなど、食べ物以外にも贈れるものはあります。
施設にいる方なら、施設で使えるものを職員に聞いてみる方法もあります。
そして、物を贈らなくても、「元気?」と電話をしたり、顔を見に行ったりすることも、敬老の日の過ごし方のひとつです。
何を贈るかより、その人が今うれしいことは何だろうと考える。
そこから選んでもいいのではないでしょうか。
もし、敬老の日にお赤飯やちらし寿司を用意したいと思ったときは、やわらかく作られたものがあります。
▶︎ 高齢者のお祝いに用意できるやわらかいごちそう|赤飯・ちらし寿司・うなぎ
敬老の日の贈り物でよくある質問


- 2026年の敬老の日はいつですか
-
2026年の敬老の日は9月21日(月)です。敬老の日は毎年9月の第3月曜日なので、日付は年によって変わります。
- 施設にいる祖父母へ食べ物を持って行ってもいいですか
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施設によってルールが違います。手作り品、生もの、要冷蔵品などを持ち込めない場合もあるため、購入する前に施設へ確認してください。
- 高齢者への敬老の日のお菓子は何がいいですか
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年齢だけで「これなら大丈夫」と決めることはできません。普段食べているものや歯・入れ歯の状態などを確認して選びましょう。
やわらかい市販のお菓子は、UDF区分別にまとめた記事で紹介しています。
- 一人暮らしの高齢者へ贈るなら何に気をつければいいですか
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量と保存方法、食べるまでの手間を確認しましょう。小分けになっていて、本人が無理なく保存・開封できるものが使いやすいです。
- 食べ物を贈らないほうがいい場合もありますか
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むせが増えている、食事量が大きく減っている、食事制限があるなどの場合は、無理に食べ物を選ばなくてもよいでしょう。
食べ物を贈りたい場合は、家族や施設の職員、必要に応じて医療機関へ確認してください。
まとめ|今年の「今」に合った敬老の日の贈り物を


敬老の日に何を贈ろうか迷ったら、まず相手の今の暮らしを思い浮かべてみてください。
去年と同じものを選ばなくても大丈夫です。
- 一人暮らしなら、食べ切れる量や保存のしやすさ
- 施設にいるなら、持ち込みのルール
- 離れて暮らしているなら、受け取りや冷蔵庫・冷凍庫の大きさ
そして食べ物を選ぶなら、今どんなものを食べているのかも確認しておきたいところです。
大切なのは、以前好きだったものではなく、今おいしく食べられるものを選ぶこと。
食べ物を選ぶのが難しければ、食べ物以外でもかまいません。
「今年は何がうれしいかな」そう考えて選んだ時間も含めて、敬老の日の贈り物なのだと思います。
敬老の日が終わると、次に家族で食卓を囲む大きな行事はお正月です。




