敬老の日に何を贈るか、もう決まりましたか。
梅むすび「以前はおせんべいが好きだったけれど、今の母でも食べられるのかな」



「最近むせる場面が増えたみたい。何を選べば安心なんだろう」
贈り物は、相手を思う気持ちを届ける品です。
けれど、今の噛む力や飲み込む力に合っていないと、食べられずに残ってしまう場合があります。
私は特別養護老人ホームで、食事介助に15年以上関わってきました。ご家族が持参された差し入れを、入居者さんが召し上がる場面も数多く見てきました。
喜ばれやすいのは、次のような食べ物です。
- 今の噛む力や飲み込む力に合っている
- スプーンなどで食べやすい
- 一度に食べる量が多すぎない
- 保存しやすく、何回かに分けられる
やわらかさや量に少し目を向けるだけで、食べ物の贈り物は選びやすくなります。
飲み込む力は、その日の体調によっても変わります。
- 2026年の敬老の日はいつか
- 食べ物を選ぶ前に確かめたい3つのポイント
- 注意したい食べ物と、選びやすい食べ物
- 施設で暮らす家族に贈る際の注意点
2026年の敬老の日は9月21日(月)、今年は5連休になります


2026年の敬老の日は、9月21日(月)です。
カレンダー上では、9月19日(土)から23日(水)まで休日が続き、5連休となる方もいます。
| 日付 | 曜日・祝日 |
|---|---|
| 9月19日 | 土曜日 |
| 9月20日 | 日曜日 |
| 9月21日 | 敬老の日 |
| 9月22日 | 国民の休日 |
| 9月23日 | 秋分の日 |
敬老の日と秋分の日にはさまれた9月22日が「国民の休日」になるため、休日が5日間続きます。
2026年は、家族に直接会いに行ける方も多い年です。
自宅で手渡す、施設へ面会に行くなど、直接顔を見ながら贈り物を渡せるかもしれません。
敬老の日に食べ物を贈る前に確かめたい3つのこと


食べ物を選ぶ前に、相手の現在の食べる力を確かめておきましょう。
同じ80代でも、食べられる品は一人ひとり異なります。昨年は食べられた品が、今年は難しくなっている場合もあります。
確認したいポイントは、次の3つです。
今、普通のごはんを食べられているか
まずは、家族と同じ食事を食べているか確認します。
すでに次のような工夫をしている場合は、噛む力が弱くなっている可能性があります。
- おかずを小さく切っている
- 肉や野菜を長めに煮ている
- かたい食材を避けている
- やわらかい食事やムース食を利用している
食事に工夫が必要な方には、かたい品や一口が大きい品を避けたほうが安心です。
むせることが増えていないか
食事中や飲み物を飲んだ際に、せき込む場面が増えていないか確かめます。
むせは、飲み込む力が弱くなっているサインのひとつです。とくに、水やお茶などのサラサラした飲み物でむせる場合は注意が必要です。
むせ込みが続いている方に、ご家族の判断だけで新しい食べ物をすすめるのは避けてください。
現在どのような食事をしているのか、本人や一緒に暮らす家族、施設職員に聞いてから選びましょう。
歯や入れ歯の具合はどうか
歯や入れ歯の状態も、食べやすさに大きく影響します。
入れ歯が合っていないと、見た目にはやわらかそうな食べ物でも噛みにくくなります。歯の治療中で、一時的にかたい品を食べられない場合もあります。
外からは分かりにくいため、可能であれば本人や身近な家族に確認してみてください。
3つの状態が分かると、選べる食べ物を絞りやすくなります。
敬老の日に贈られやすいけれど注意したい食べ物


ここからは、敬老の日の贈り物としてよく選ばれる一方で、噛む力や飲み込む力によっては注意が必要な食べ物を紹介します。
どの食べ物も、元気に噛んで飲み込める方には喜ばれる品です。
大切なのは、以前好きだったかではなく、今の食べる力に合っているかどうかです。
おせんべい・おかき
おせんべいやおかきはかたく、噛んだ際に細かなかけらが口の中に広がります。
飲み込む力が弱くなると、細かなかけらが口やのどに残りやすくなります。口の中が乾きやすい方にとっても、食べにくい品です。
「昔から好きだったから」と選びたくなりますが、現在も無理なく食べられるかを先に確認してください。
お餅・大福・団子
とくに注意したいのが、お餅を使った食べ物です。
粘りが強く、口の中やのどに付着しやすいため、噛む力や飲み込む力が弱くなった方には向かない場合があります。
敬老の日は9月なので、お餅を単品で贈る場面は少ないかもしれません。しかし、和菓子の詰め合わせに大福や団子が入っている場合があります。
詰め合わせを購入する際は、一つひとつの中身まで確認しましょう。
口の中でまとまりにくい食べ物
次のような食べ物は、口の中でパサついたり、細かく散らばったりする場合があります。
- カステラ
- パン
- クッキー
- そぼろ状の食べ物
飲み込むには、唾液や飲み物と混ぜて、まとまりを作る必要があります。
口が乾きやすい方や、飲み物でむせやすい方にとっては、食べにくい場合があるため注意してください。
皮をむいたり切ったりする必要がある果物
果物の詰め合わせは見た目が華やかで、敬老の日にも選ばれやすい贈り物です。
ただし、大きな果物には次のような手間がかかります。
- 皮をむく
- 種を取る
- 食べやすい大きさに切る
- 残った分を保存する
受け取った方の体力や握力が弱くなっていると、手をつけられないまま傷んでしまう場合があります。
果物を贈るなら、本人が準備できるか、手伝ってくれる家族や職員がいるかも考えて選びましょう。
噛む力・飲み込む力が弱った高齢者に喜ばれやすい敬老の日の食べ物


ここからは、噛む力や飲み込む力が弱くなってきた方にも選びやすい食べ物を紹介します。
食べやすさには個人差があります。現在の食形態を確認したうえで選んでください。
やわらかい和菓子
甘い品が好きな方には、次のようなやわらかい和菓子が候補になります。
- 水ようかん
- やわらかめの羊羹
- ムースタイプの和菓子
- なめらかなあんを使ったデザート
スプーンで少量ずつ食べられ、保存しやすい品が多い点も贈り物に向いています。
ただし、水ようかんや羊羹も、商品によってかたさや崩れ方が異なります。むせがある方や食形態を調整している方には、施設職員や専門職へ確認してから贈りましょう。
プリン・ゼリーは中身まで確認する
プリンやゼリーは、スプーンで食べやすく、敬老の日の贈り物にも選びやすい品です。
ただし、「ゼリーならすべて安心」とは限りません。
次のような具が入っている商品には注意してください。
- ナタデココ
- みかんなどの果肉
- 大きく切った果物
- 弾力の強い具材
ゼリー部分は食べられても、中の具を噛み切れなかったり、飲み込みにくかったりする場合があります。
具の入っていない商品か、本人が食べられる具材かを確認してから選びましょう。
具が入っていないゼリーの例
ハウス食品の「やさしくラクケア まるで果物のようなゼリー」は、果肉ではなく、果汁で味をつけたゼリーです。
公式サイトでは、果汁5%配合、1個当たり10キロカロリーと案内されています。
パッケージにユニバーサルデザインフードの区分3「舌でつぶせる」と表示されているため、やわらかさの目安を確認しやすい商品です。
1個60gと量も控えめで、2026年7月31日時点では次の7種類があります。
- もも
- メロン
- 洋なし
- りんご
- マンゴー
- なし
- みかん
みかん味も果汁で味をつけており、果肉は入っていません。
1個10キロカロリーなので、主に味やおやつを楽しむための商品です。栄養補給を目的にする場合は、高カロリータイプや栄養補給用のゼリーも検討してください。
下の商品は、このゼリー7種類に、同じシリーズの「20kcalプリン」3種類(チョコ・カスタード味・黒ごま)を加えた20食の食べ比べセットです。
どの味が好みか分からないときに選びやすい形です。
甘いものが苦手なら、ご飯のお供も選択肢
敬老の日の食べ物というと、お菓子や果物を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、施設では次のようなご飯のお供も喜ばれています。
- 海苔の佃煮
- ふりかけ
- やわらかい練り梅
- 少量ずつ使える瓶詰め
いつものごはんに少し添えるだけで、味に変化が生まれます。甘い品が苦手な方にも渡しやすく、何回かに分けて使える点も利点です。
贈り物にするなら、2個入りなどのセットが選びやすいです。
開けてから少しずつ使えるので、一度に食べきる必要もありません。
塩分が気になる場合は、控えめに作られたものを選ぶ方法もあります。
ただし、塩分制限や食形態の調整がある方もいます。施設で暮らしている場合は、持ち込む前に職員へ確認してください。
離れて暮らしているなら冷凍のやわらかい宅配食も
「お菓子より、普段の食事に役立つ品を届けたい」
そのような場合は、冷凍のやわらかい宅配食も候補になります。
華やかなギフトとは少し異なりますが、毎日の食事を支える実用的な贈り物です。
宅配食には、噛む力に合わせて食形態を選べるサービスがあります。冷凍で保存できるため、必要な日に少しずつ利用できます。
支払う方と届け先を別に指定できるサービスなら、子どもが支払い、離れて暮らす親の家へ届ける注文も可能です。
メディカルフードサービスの公式サイトでは、支払先と届け先を別々に指定でき、遠方の両親にも送れると案内されています。
2026年7月31日時点のお試しセット価格は、次のとおりです。
| 食事の種類 | 内容・価格 |
|---|---|
| やわらか食 | 歯ぐきでつぶせる・6食5,594円 |
| ムース食 | UDF区分3「舌でつぶせる」・6食4,688円 |
いずれも税込・送料込みの価格です。
なお、公式サイトでは、のしやギフト包装についての詳しい案内を確認できませんでした。
贈答用の包装を希望する場合は、注文前に問い合わせると安心です。
\ メディカルフードサービスの公式サイトを見てみる /
ほかのサービスとも比較したい方は、こちらの記事にまとめています。
介護食のUDFマークを見るとやわらかさを選びやすくなります
市販の介護食には、ユニバーサルデザインフード(UDF)のマークが表示されている商品があります。
UDFは日本介護食品協議会が定めた規格で、食べやすさを次の4区分に分けています。
- 容易にかめる
- 歯ぐきでつぶせる
- 舌でつぶせる
- かまなくてよい
数字が大きくなるほど、やわらかい食形態になります。
どの程度のやわらかさを選べばよいか迷った際の目安として役立ちます。
UDF区分だけで決めず、本人が普段食べている食事の形も確認しましょう。
区分ごとの違いは、写真で見ると分かりやすくなります。
▶︎ 舌でつぶせる・歯ぐきでつぶせるの違いは?写真でわかるUDF区分
敬老の日のプレゼントは食べ物以外でも大丈夫


食べる力に不安がある場合は、無理に食べ物を選ばなくてもかまいません。
たとえば、次のような品があります。
- 軽くて扱いやすい肌かけ
- 肌ざわりのよいタオル
- 持ちやすいコップ
- 写真を入れたカード
- 手紙
- 好きな花
- 冷え対策の膝掛けや靴下
食べ物でなくても、相手を思って選んだ気持ちは伝わります。
なかでもタオルは、敬老の日の贈り物として選びやすい品です。毎日使えて置き場所にも困らず、食べられるかどうかを心配しなくてよい点も安心です。
\ 敬老の日向けのタオルギフトを見てみる /
施設にいる家族へ敬老の日の贈り物をするとき


ここからは、特別養護老人ホームなどの施設で暮らしている家族へ、食べ物を贈る際の注意点を紹介します。
特養は暮らしの場ですが施設ごとに決まりがあります
特別養護老人ホームは、入居者さんが毎日の生活を送る場です。
ご家族から差し入れを受け取り、本人が好きな品を楽しむ機会もあります。
一方で、次のような理由から、食べ物の種類や持ち込み方法に決まりが設けられている場合があります。
- 食形態の調整
- 糖尿病や腎臓病などの食事制限
- 食物アレルギー
- 食中毒予防
- 保存場所や賞味期限の管理
施設によって対応が異なるため、持参する前に確認しておきましょう。
施設でよく持ち込まれている食べ物
私が働いている特養で、実際によく持ち込まれているのは次のような品です。
- 抹茶ムース
- プリン
- やわらかめの羊羹
- 小さなカップ入りデザート
スプーンで食べやすく、食後やおやつの時間に少量ずつ楽しめます。
ただし、同じ商品でも入居者さんの食形態によっては食べられない場合があります。購入前に職員へ相談してください。
一度に食べる量は控えめにする
意外と見落としやすいのが、1個当たりの量です。
大きなサイズを渡すと、食べきれない場合があります。
残すのを申し訳なく感じて無理に食べ、あとで気分が悪くなったり、吐いてしまったりする方もいます。
大きな品を1つ贈るより、小さな品が複数入っている詰め合わせのほうが安心です。
少量ずつ、何回かに分けて楽しめます。
果物ならバナナも選びやすい
果物を持っていくなら、バナナも候補になります。
皮をむきやすく、熟したバナナはやわらかいため、包丁を使わずに食べられます。
ただし、バナナも食形態や飲み込む力によっては、そのままでは食べにくい場合があります。
本人が普段食べているかを確認し、食べきれる量だけ持参しましょう。
ご飯のお供も喜ばれます
海苔の佃煮やふりかけは、施設でも喜ばれやすい品です。
毎日の食事に少し加えるだけで味が変わり、食欲につながる方もいます。日持ちしやすく、少量ずつ使える点も利点です。
ただし、塩分制限がある方や、食べ物の形を細かく調整している方もいます。持参前に職員へ確認してください。
手作りの食べ物は必ず施設へ確認する
手作りのお菓子や料理を持っていきたい場合は、準備を始める前に施設へ確認しましょう。
食中毒予防のため、手作り品の持ち込みを受け付けていない施設があります。
気持ちを込めて作っても、当日に受け取ってもらえないと、ご家族も施設側も残念な気持ちになります。
電話でひとこと確認してから準備すると安心です。
迷ったときは職員に聞いてから選ぶ
本人が現在どのような食事をしているかは、ケアマネージャーなど施設職員が詳しく把握しています。
「プリンを持っていきたいのですが、食べられそうですか」
「ふりかけを持参しても大丈夫ですか」
このように具体的に聞くと、本人の状態や施設のルールに合わせて答えてもらえます。
迷ったときは、購入前に相談してみてください。
敬老の日の贈り物でよくある質問


- 敬老の日にタブーとされる贈り物はありますか
-
くしや鉢植えなど、縁起を気にする方もいる品はあります。ただし、受け止め方は家庭や本人の考えによって異なります。
食べ物を贈る場合は、昔からの縁起だけでなく、現在の噛む力や飲み込む力に合っているかを優先して選びましょう。
- 敬老の日は何歳から祝うものですか
-
敬老の日を何歳から祝うかについて、明確な決まりはありません。敬老の日は、長年社会に尽くしてきた方を敬い、長寿を祝う日です。
年齢だけで線を引かず、感謝やお祝いの気持ちを伝えたいと思った時期に祝ってよいでしょう。
- 2026年の敬老の日はいつですか
-
2026年の敬老の日は、9月21日(月)です。敬老の日は「9月の第3月曜日」と定められているため、日付は毎年変わります。
- 食べ物以外なら何を贈ればよいですか
-
軽い肌かけ、持ちやすいコップ、写真を入れたカード、手紙などがあります。食べる力に不安がある方には、無理に食べ物を選ばないほうが喜ばれる場合もあります。
本人の暮らしや好みに合わせて選びましょう。
まとめ|敬老の日は今の食べる力に合った品を選ぼう
敬老の日に食べ物を贈るなら、購入前に次の3つを確認しましょう。
- 今、どのような食事を食べているか
- むせる場面が増えていないか
- 歯や入れ歯の状態に問題がないか
状態が分かれば、選べる品を絞りやすくなります。
やわらかい和菓子、具の入っていないプリンやゼリー、ご飯のお供などは、本人の食形態に合っていれば選択肢になります。
施設へ持参する場合は、日持ちしやすく、1個当たりの量が控えめな品を選びましょう。手作り品や食事制限に関わる品は、購入・調理前の確認が必要です。
2026年の敬老の日は、9月21日(月)です。
会いに行ける方は、本人の顔を見ながら食べられる品を確かめるのもよいでしょう。
大切なのは、以前好きだった品ではなく、今おいしく食べられる品を選ぶ視点です。
敬老の日が終わると、次はお正月です。おせちにも、噛む力に合わせて選べる商品が増えています。

